バーバリーのラインの違い|ブラックレーベル・ブルーレーベルはどうなったのか

アウター・コート

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「バーバリー ブラックレーベル」で検索すると、もう売っていないと出てきます。「バーバリー プローサム」も同じです。

一方で、中古では普通に流通している。クレストブリッジという似た名前のブランドもある。いったい何が起きたのか。

答えを先に書きます。バーバリーのラインは、2015年から2016年にかけて、本国と日本で別々に整理されました。 2回の整理が同時期に起きたので、話がややこしくなっているのです。

この記事では、それぞれの整理が何だったのかを、公式の発表に沿って整理します。最後に、クリーニング師として「ラインが分かると何が分かるのか」も書きました。

混乱の理由は、整理が2回あったからです

先に全体像です。

何が起きたかいつ
本国(イギリス)3つのラインを「Burberry」1つに統合2015年11月発表 → 2016年末までに完了
日本ライセンスのブラックレーベル/ブルーレーベルが終了し、後継ブランドへ2015年6月にライセンス終了 → 2015年秋冬から後継開始

まったく別の話が、たまたま同じ時期に起きました。 混ざって語られがちなので、分けて見ていきます。

① 本国のライン ── 3つが1つになりました

2015年の時点で、バーバリーには3つのラインがありました。

ライン位置づけ
Burberry Prorsum(バーバリー・プローサム)ランウェイで発表するコレクション
Burberry London(バーバリー・ロンドン)仕事着(ワークウェア)
Burberry Brit(バーバリー・ブリット)カジュアル、週末に着るもの

「Prorsum(プローサム)」はラテン語で「前へ」という意味です。バーバリーの騎馬像のロゴに掲げられた旗にも、この言葉が書かれています。

2015年11月、バーバリーはこの3つを「Burberry」という1つのラベルに統合すると発表しました。完了は2016年末。

当時のチーフ・クリエイティブ/CEOだったクリストファー・ベイリーは、理由をこう説明しています。

ラグジュアリーの顧客の行動は変化している。彼らのスタイルはより流動的で、それは買い方にも表れている。3つのラインを1つのラベルに統合することで、バーバリーのコレクションを、より一貫した形で体験してもらえる。

「上下の格を分ける」という考え方をやめた、ということです。同じ時期に、他の多くのブランドでも同じ整理が起きています。

だからいま、本国のバーバリーに「格の違うライン」はありません。

② 日本のライン ── ブラックレーベルとブルーレーベル

こちらが、日本で特に混乱しているところです。

バーバリー・ブルーレーベルとバーバリー・ブラックレーベルは、日本だけのブランドでした。 三陽商会がバーバリーグループとのライセンス契約に基づいて、日本国内向けに企画・製造・販売していたものです。

三陽商会の公式発表によれば、立ち上げは次のとおりです。

  • バーバリー・ブルーレーベル … 1996年
  • バーバリー・ブラックレーベル … 1998年

そして、このライセンス契約は2015年6月に終了しました。

そして「クレストブリッジ」になりました

ここが誤解されやすい点です。バーバリーと三陽商会の関係が、完全に切れたわけではありません。

三陽商会は2015年2月13日のプレスリリースで、こう発表しています。

  • 新ブランド 「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」 を立ち上げる
  • これらは バーバリー・ブルーレーベル/ブラックレーベルの後継ブランドとして位置づけられる
  • 現在のライセンス契約が2015年6月に終了することに伴い、新たにバーバリーグループとライセンス契約を締結して立ち上げる
  • 2015年秋冬シーズンより開始
  • 現在のブランドコンセプトを継承し、「ブルーレーベル」「ブラックレーベル」の資産を最大限に生かす

つまり、バーバリーの名前は外れたけれど、バーバリーグループとの新しいライセンス契約のもとで続いている、という形でした。

あわせて、ファッションデザイナーの三原康裕氏がクリエイティブ・ディレクターとして迎えられています。キーワードは「英国らしさ」と「プレミアムベーシック」。デビューのランウェイは2015年3月31日でした。

ブランド立ち上げ終了・後継
バーバリー・ブルーレーベル1996年2015年6月にライセンス終了 → ブルーレーベル・クレストブリッジへ
バーバリー・ブラックレーベル1998年2015年6月にライセンス終了 → ブラックレーベル・クレストブリッジへ

なお、三陽商会の現在の公式沿革では、2015年の欄に「BLUE LABEL CRESTBRIDGE」「BLACK LABEL CRESTBRIDGE」発売とだけ記載されています。

タグの「Burberrys」について

古いバーバリーのタグを見ると、「Burberrys」と最後に s が付いていることがあります。

これは公式の年表に記載がある、単純な話です。1999年に、社名が「Burberrys」から「Burberry」へ変更されました。 それ以前に作られたものには、s が付いています。

社名が変わっただけで、それ以上の意味はありません。

【クリーニング師のメモ】ラインで洗い方は決められません

ここからは、実際に服を扱う立場からの話です。

ラインが分かると、その一着がどこで企画されたものかの見当がつきます。本国のコレクションなのか、日本向けに企画されたものなのか。

ただ、ラインから手入れの方法を決めることはできません。

理由は、これまでのブランドとまったく同じです。同じラインの中に、綿もウールもカシミヤもナイロンもあります。

トレンチコート一つとっても、コットン・ギャバジンのものもあれば、ライナー付きのもの、別素材のものもあります。ラインが同じでも、扱いは一着ごとに違います。

判断の根拠になるのは、品質表示のタグに書かれた組成と洗濯表示だけです。ラインの名前は、タグを読む前の準備運動くらいに考えてください。

ただ、知っておくと役に立つことが一つ

日本向けに企画されたものは、日本の体型と気候に合わせて作られています。

これは品質の優劣の話ではありません。設計の前提が違う、という話です。丈、身幅、裏地の仕様。中古で手に入れたものが「思っていたのと違う」と感じる場合、この違いであることがあります。

扱ううえでは、やはり最後はタグを見る。そこは変わりません。

▶ バーバリーというブランドそのものと、ギャバジン・トレンチコートのお手入れの詳しいところは、こちらの記事にまとめています → バーバリーってどんなブランド?ギャバジンとトレンチコートのお手入れも解説

新品で買えるのは、この2つです

ブラックレーベルとブルーレーベルは2015年で終わっています。新品はもう流通していません。 当時のものを手に入れるなら、中古を探すことになります。

新品で、となると行き先は2つです。

後継のクレストブリッジ

コンセプトを引き継いでいるのが、ブルーレーベル・クレストブリッジとブラックレーベル・クレストブリッジです。日本のために作られたブランドという立ち位置も、価格帯も、当時と大きくは変わりません。

▶ クレストブリッジ公式サイト

楽天市場でも、Rakuten Fashionが正規に取り扱っています。セール品をまとめて見たいときは、こちらが探しやすいです。

▶ 楽天でブルーレーベル・クレストブリッジを見る(新品のみ)

統合後のバーバリー

3つのラインが1つになった、いまの「Burberry」です。トレンチコートも、公式サイトで買えます。

▶ バーバリー公式サイト

まとめ

  • 「バーバリーのライン」が分かりにくいのは、2015〜2016年に本国と日本で別々の整理が起きたからです。まったく別の話が同時期に重なりました
  • 本国:Prorsum(ランウェイ)/London(仕事着)/Brit(週末着)の3ラインを、2016年末までに「Burberry」1つへ統合。2015年11月発表
  • 当時のCEOクリストファー・ベイリーは、「顧客のスタイルはより流動的になっている」ことを理由に挙げています
  • 日本:バーバリー・ブルーレーベル(1996年)とバーバリー・ブラックレーベル(1998年)は日本だけのライセンスブランド。2015年6月にライセンス終了
  • 後継はブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ。三陽商会が新たにバーバリーグループとライセンス契約を結んで立ち上げたもので、コンセプトを継承しています。クリエイティブ・ディレクターは三原康裕氏
  • タグの「Burberrys」は、1999年の社名変更より前のもの。それだけの話です
  • ラインで洗い方は決められません。 同じラインに違う素材が入っています。頼りになるのは洗濯表示だけです

ラインの名前は、そのブランドが、いつ、どこで、誰に向けて服を作っていたかの記録です。手元の一着のタグを見れば、その歴史のどのあたりに立っているのかが分かります。


この記事を書いた人

ソワのアイコン。本を開いて鉛筆を持つフレンチブルドッグのイラスト

ソワ|国家資格を持つ現役のクリーニング師です。クリーニング歴は30年以上になります。

業界に長くいても、知らないブランドはまだまだあります。ブランドを一つずつ勉強しながら、その成り立ちと、そこから導かれるお手入れの方法を書いています。服が「何のために作られたのか」が分かると、扱い方の答えは、たいていそこにあります。

店の名前は出していません。特定のお店に来ていただくためのブログではないからです。ご自身で手入れをされるにせよ、お近くの信頼できるお店に相談されるにせよ、その判断の材料になれば十分だと思っています。

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